体温が上がることによって様々なメリットが得られます。 免疫の機能が高まったり、体内の酵素の活性が高まったりします。 私たちの体は、常に病原体の侵入や増殖の危機にさらされています。それを防ぐために、細菌やウイルスなどによる感染症から体を守ったり、傷ついた組織を修復したりして、体内の調子を整える仕組みが備わっています。この体を守る仕組みはよく「免疫機能」とも呼ばれているものですが、一般的なイメージとは異なり、非常に複雑なシステムによって成り立っているのです。 疲労やストレスなど、何らかの原因で体を守る力が低下すると、風邪をひきやすくなったりします。そのとき体内では免疫細胞の活動が低下してしまっているのかもしれません。 これらの免疫に良い影響があると言われているため、体温を上げて血行をよくすることが改善の近道です。 これが、「体温を上げると体の抵抗力が高まる」とよく言われている理由のひとつです。 もう一つは酵素の活性です。 酵素は生体内の化学反応において触媒として働く物質です。 触媒とは、化学反応を促進する働きをもつ物質のことで、反応速度を大きくする一方で、それ自身は反応の前後で変化しないという特徴があります。酵素のことを生体触媒、酵素が触媒する反応を酵素反応といいます。温度は活性化エネルギーを与える重要な要素です。よって、一般に化学反応は温度が高いほど反応速度が大きくなります。そのため、無機触媒を用いた化学反応では、温度に比例して反応速度が大きくなります。 しかし、酵素はタンパク質でできています。タンパク質の性質でお話したように、タンパク質は高温になると変性する性質があります。よって、酵素が触媒する反応では、低温領域では温度に比例して反応速度が大きくなるものの、高温領域になるとタンパク質が変性し、酵素活性が失われます(失活する)。 このような性質から、タンパク質の構造に影響を及ぼさない最大の温度において、酵素活性が最も高くなり、反応速度が最大になります。この温度を酵素の最適温度(至適温度)といいます。 最適温度は生物の生活環境に適応しています。例えば、ヒトの体内にある酵素では、体温の37℃付近が最適温度となっています。 一般に、高温で構造に影響を受けない範囲であれば、温度が1℃上昇すると反応速度は約10%上がります。また、10℃上昇するごとに反応速度は1.5~3倍になることが知られています。 これが、「体温を上げると体の酵素の活性が高まる」とよく言われている理由のひとつです。
クリ先生
現代人は体温が低いです・・・。
リバ子
私もよ!35度台しかない〜
クリ先生
低体温になると、様々な不具合が出やすくなります。
リバ子
免疫が弱まったり、活力がなくなたりするって聞いたことがあるわ
クリ先生
温度が低いというのは物理的にみてもエネルギーレベルが低い状態なんだ。
リバ子
全てにおいて元気がなくなるわけね。なんとして体温を上げなきゃね!
クリ先生
では、体温の仕組みを分かりやすく解説しましょう!!